令和2年度

令和2年度の総括

事業推進責任者から

令和2年度のSNUC-LT活動内容のまとめと今後について

1.HPの維持管理:新規教材として、過去2年間の病理検討会録画内容5本を新たに加えた。

2.日本肝移植学会共催プログラムの設定と実施
延期の上、結果的にweb開催となった第38回日本肝移植学会(愛媛大学高田泰次教授)で、当初よりワークショップ3「生体ドナーの合併症の現状」を共催としていただき、SNUC-LT関係施設からも含めて10人の演者による発表と逐次討論が活発に行われ、録画配信された。

3.Web病理検討会は、2回開催(10月12日、2月15日)され、通算32回となった。供覧施設がやや偏ってはいたが、2回とも全施設から参加され、これまで通り、京都大学羽賀教授の診断とコメントで貴重な学びの機会となった。

4.ブタを用いた実習は、当初から予定していたもののコロナ禍の影響をうけて開催が危ぶまれたが、感染沈静化の兆しが見られた3月13日に、履修生1名の参加をうけて、神戸で無事行う事ができた。今回はブタ1ペアの使用であったが、レシピエントでのPCシャント作成の効果もあり、極めて良好な状態で再灌流まで完遂できた。なお、所属施設の感染防御規定で今回参加できなかった履修生1名も、過去2年間で3回の経験を積んでおり、今回の履修不参加が履修未了にはならないと判断した。

5.施設間の手術参加実習の実績は今年度全くなく、コロナ禍での移動制限と肝移植件数そのもの減少も影響しているものと思われる。


 なお、折しも、日本移植学会の編集委員会のご厚意により、機関誌「移植」55巻第4号に、このSNUC-LTの特集記事の掲載を許され、私を含め5名の関係者で分担執筆いたしました。各コースの詳細が振り返られており、完了報告書に代わりうる内容かと存じます。

 文部科学省ご支援の5年間、およびその後の、熊本大学病ご支援による2年間の、足かけ7年に及ぶ本プログラムの事業は、令和2年度をもっていったん終了となります。これまで、この事業に関与いただきました多くの皆様のご参加やご支援なくしては成り立たなかった事業です。その立ち上げ、運営を担ったものとして深く感謝申し上げます。
 今後の、令和3年度4月以降ですが、令和2年末以来、日本肝移植学会の大段秀樹会長の御高配により、このプログラムを何らかの形で学会に移管することが議論され、常任世話人会、役員会でその方向性が了承されております。まだ具体的なことは未確定ですが、次回の日本肝移植学会(岡山大学八木教授主催6月24-25日)での会議では再度議論されることを期待しております。それに備え、熊本大学病院次期病院長の馬場秀夫先生の御高配もいただき、7月までHPの機能などをそのまま残すことをお認めいただきました。手術カレンダーの入力やこれまで蓄積した教材の視聴なども可能です。
 今後の活動は、熊本大学内にいる後任の日比泰造教授などが担うことになっていくと思いますが、ご関係の皆様には今後とも、かわらぬご指導ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

猪股 裕紀洋(熊本大学名誉教授、熊本労災病院院長)

令和2年度の個別活動実績

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