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令和2年1月27日 第30回Web病理検討会を開催しました。

いつも通り、午後6時から、長崎大学二口先生によるvirtual slide 配信と、WebExシステムを用いたテレビ会議で、web病理検討会を開催しました。今回は、熊本大学からの1例のみの供覧でした。

提示症例は、過去にも供覧された症例で、抗体関連拒絶も疑われ、タクロリムス、MMF,に加えてエベロリムスが追加されたのちのフォロー生検でした。熊本大学病理の佐野先生(病理履修修了生)が診断所見を提示し、京都大学羽賀教授からのコメントをいただきました。急性拒絶としてはindeteminate, 前回見えなかった小葉間胆管が見える様になって、CK7染色も含め、門脈域半数以上で胆管が確認されて、今回はCRとはいえない状況でした。C4d染色では一部内皮沿いに弱いものの陽性は確認できる状況でした。羽賀教授のコメントはほぼ佐野先生の読みに一致するものでしたが、類洞の拡張、門脈域の狭小化、肝細胞間の線維化がなお見られて注意は要する、ということでした。生検標本採取部位の差も否定できませんが、少なくとも悪化はない、あるいは軽度改善、も示唆される状態で、このような良い方向に変化する慢性拒絶反応は珍しいとのことでした。熊本大学からは、文献的に、エベロリムスの効果の報告が最近あることも示されました。

来年度でこのSNUC-LTもいよいよ最終となりますが、熊大病院のご厚意により、HPやテレビ会議システムの維持にはご支援いただける予定であり、外科履修生3名が残りますので、もう1年お付き合いいただければと存じます。毎回貴重なコメントを下さる羽賀教授、virtual slideの処理にご尽力いただいている二口先生に改めて深甚なる謝意を表します。来年度もよろしくお願いいたします。

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