事業の概要
肝臓移植を担う外科医を養成するプログラムは今まで存在せず、各大学において、外科医教育の一環として徒弟的に養成がなされてきました。
本プログラムは、全国へ普及しうるモデルとして、6大学(千葉、新潟、金沢、岡山、長崎、熊本)が各施設の症例を有効に活用し、相互補完しながら指導的施設(京都大学、国立成育医療研究センター)の協力も得て、肝臓移植外科医の養成を行うことを主目的としています。
今まで時間をかけて診療科単位で養成をおこなってきたものを、システマティックに履修時間を設定して養成する点が本プログラムの独創的であり新規な点であります。
具体的には、後期研修医以降の外科医を対象に共通プログラムを設定し、学会時などを利用した講習会、施設間の人的相互交流及びテレビ講義なども利用し、3年間で肝臓移植の理念と手術及び術前後管理の知識と技能を習得させるとともに、同様に不足する病理医やレシピエント移植コーディネーターも、肝臓移植の専門性を重視して養成を図ります。
現在国内では年間総数450例程度の肝臓移植が行われていますが、この限られた症例を、後進の養成のためにレベルを担保しながらより有効に用いて、より広い範囲に均質な高度医療として普及させることを意図し、また、肝臓移植チームとして必須かつ不足している、病理医とコーディネーターを同様なシステムで短期に実務経験を積んだ戦力として養成する点でも新規な取り組みであります。
この取り組みにより、6大学での肝臓移植外科医の養成とレベルの均てん化をはかり、脳死臓器提供に際してはその摘出互助関係を確立し医師の負担軽減を図ります。
また、これが専門医制度につながる養成プログラムとして学会などに認知され、専門医性など安定した養成システムに波及することが期待されます。