平成28年度

平成28年度の総括

履修生の声

外科医コース

 講演会の出席、ESOTのプログラムに2回参加、自施設で20回の移植経験を積み、生体ドナー、レシピエントでの執刀機会が多くあった。脳死摘出2回経験し、また他施設の脳死摘出に1回同行した。連携施設では、2回の実習を行った。
本プログラム修了にあたって:
実習などを通して、連携施設との手技管理の違いを学び、同世代の医師や指導医と施設を越えた議論をしたり指導を受けることは非常に有用であった。ESOTのコースに2年越しで3回参加し、海外を含むキャリアパス形成につながった。個人的には長期履修はできなかったが、やはり長期の他施設での履修は有意義と思う。

 1年間、熊本大学での長期研修を行った。生体32例、脳死1例を経験した。執刀者の経験を多く積んだ。今後も、京都大、成育医療センター、長崎大学での研修予定。長期履修で、手術のみでなく、合併症などの管理も多く学ぶ事ができた。国内講演会に加えて、ESOTのマスターコースに参加した。国内4回、海外1回の学会発表もできた。3年間のまとめとして、手術手技、周術期管理を修得できた。他施設の外科医との交流、情報交換が密接にでき、自分の財産となっている。個人としては、1年目は他施設複数の施設、2年目には3ヶ月、3年目には1年間の履修を行う事ができた。ただ、施設によっては外科医が多忙で実習を十分できないという懸念も有り、また長期研修は全員には難しいので、3年間の履修期間を各履修生がどう使うか、最初のプランニングが重要である。

 今年度5回実習を行った。自施設で症例が少ないので貴重な機会となった。その経験を踏まえて自施設でも執刀経験ができた。豚実習では、後輩履修生の前立ちで参加し、その役割自体も勉強になった。金沢で主催した講演会に出席し、また、顕微鏡手術のハンズオンにも参加できた。3年間の感想として、実地研修で多様な術者の手術を経験して勉強できたのは非常に有用であった。たとえ第3助手でも、手術に実際に入って見ることは重要である事が体感でき、その重要性を強く感じている。ブタのシミュレーションも実効性が高い。また、海外研修もできて視野が広がった。この履修で、手術手技や知識を学ぶ事ができたと思って感謝している。

(1)オランダの実習(ベーシックコース)に参加して、国外の同世代外科医と情報交換し、自己の立ち位置も知ることができ、さらに、その中での「Japan Team」形成に伴い、国内他施設の状況も深く知ることになった。
(2)ブタのシミュレーション実習には複数回参加したが、臓器摘出に際して実際の手技が落ち着いてできるようになった。また、移植するほうの手技は、自分たちの世代には非常に貴重な経験であり、もっと参加したいと思っている。
(3)学術講演会としては、金沢大学での講演会に際して、特に病理の全先生の御講演で、肝移植病理の内容とともに、英国留学、英国の移植外科医のスタンスのお話しが興味深かった。
(4)自施設以外の施設での実習に行かなかったのは反省点で、次年度は、計画的に実習をこなしたい。
(5)肝移植病理の検討会では2回ほど自施設症例の提示を行った。その際に実際に得られた示唆によって免疫抑制剤の変更などを行った患者が落ち着いて経過するなど、複数の施設での症例検討は有意義であると感じている。

 半年間、外の病院に居たので、その間は十分な履修はできなかったが、その後、ライデンでのESOTのコースにも参加でき、また神戸での2回のブタの実習、コロンビア大学での1ヶ月の研修、を行った。コロンビア大学では、見学ではあるが、米国の肝移植医療の実際を研修できて有意義であった。国外での研修を通して、同世代や指導者との交流や議論を深めて、肝移植医療の国内外の差の評価などを体感するに有意義であった。反省点は、実際の手術に関わる機会に乏しいので、今後その点で注力したい。

 自施設で4例の移植を経験した。自分個人では、脳死と生体のレシピエント手術各1例、脳死ドナー手術1例の執刀経験を得た。また、他施設での経験として、長崎のHybrid手術を経験する機会を得た。今後、この手技の導入も検討しており、また肝切除などでも応用させていただいている。熊本大学でのFAPの移植、ドミノ移植を経験できた。ブタでの臓器摘出実習は非常に有用であった。自施設で症例が少ないので、感覚がぶれることを実習で補うことができ、また、2年目で実際の執刀経験が得られて非常に有意義であった。

 大学院生になったので、自施設の症例は、動脈吻合とバックテーブル処置に関与した。クリーブランドクリニックで11日間実習を行い、脳死移植3例、心停止移植1例を見学できた。摘出チームには手洗いで入ることができた。国内での他施設実習は、成育、長崎、岡山大学に行き、生体レシピエント3例、生体ドナー3例、脳死肝移植ドナー2例、バックテーブル2例を経験できた。ブタ実習は、執刀、助手で経験できた。ESOTのコースにも参加できた。
全体の感想:ブタの実習に関しては、屋根瓦方式で、1-3期生がそれぞれ関与できていてそれぞれに有意義である。病理webカンファは、施設を跨いで困難症例を検討し、解釈を示してもらえるので非常に有意義である。海外研修は、日本で経験できない経験ができる、海外の移植医との交流の中で、世界における日本の移植医療の位置を学ぶ機会となった。提言として、ブタの実習は、術者になれる貴重な機会であり、是非継続して回数を増やすなりしてほしい。

病理医コース

 この1年で、第5回の金沢での講演会、移植学会の共催企画に参加、web講演会にはすべて参加した。2月には、京都大学で実習した。今後の肝移植病理に備えて勉強を行う事ができ、その実施への方向性が見えてきた気がする。これからさらに実地臨床で学びを深めたい。

 神戸、旭川の肝移植研究会の企画への参加、学術講演会への参加、web検討会全回参加し、また2月に京大で実習した。検討会などの供覧を通して、羽賀教授など専門家の診断や所見の取り方を学ぶ事ができ、実地臨床に非常に有用である。これからもご相談させていただくことも多いと思うので、よろしくお願いいたします。

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