平成26年度

平成26年度の総括

事業推進責任者から

熊本大学医学部附属病院 小児外科・移植外科 教授
猪股 裕紀洋

 何とか初年度を終えることができ、事業推進責任者として、文部科学省はもとより、ご支援ご協力いただきました、関係の皆様すべてに心からお礼申し上げます。
 当時の熊大病院長の勧めもあり、また私自身、やや敬遠されつつあるように感じていた肝臓移植を担う外科医の養成に課題を感じていたこともあり、公募されているように、国立大学で連携してその養成を考えてみよう、と考えました。そのとき、旧六、という比較的同じ境遇にある大学間で連携してみてはどうだろう、という発想が連なり、申請、採択に至りました。肝臓移植には、コーディネーターと病理医は必須ですが、その養成も決して十分でなく、専門医療人チームとしての養成を念頭にコースを考えました。秋も遅くなっての実際の事業開始となりましたが、文字通り、国内では全く前例の無い事業であり、手探りで進めてきました。6大学の御担当の方にはすべて直接お目にかかってご説明し、特に外科医以外にも一定のご理解は得られたと思いますが、今後の養成事業の成果にそれが活かされなければなりません。来年度は、予定を超える6名の外科医、予定の2名の病理医と、予定を満たせませんでしたが、新たに1名のコーディネーターコース履修看護師の御応募を得て、少しずつ成熟した教育システムを練り上げていく必要があると思っております。
 3月8日の全体が集合した評価委員会では来年度の予定も議論されましたが、今年度の活動などをもとに、5名の評価委員の先生から、厳しい叱咤激励も寄せられました。
 ご意見、ご提案の中で、「もっと長期滞在して仕事をして学ぶシステムが必要で近道ではないか」というものが複数ございました。カリキュラムを作る時には私もそれを目指したいと思いましたが、一方で現実の各医局の事情を考えるとなかなか難しいということを痛感しています。せめて3ヶ月の単位ででも他施設研修を許していただける指導者がおられれば、現時点でも、いつでもそれは可能であるので、御検討いただきたいと思います。
 当初のカリキュラムを全うすることが目標では無く、「手術ができる外科医」を作ることが主眼であり、そのために不断の見直しをし、より有効な資金使途の変更は許されるものと思っております。また、27年度から病理医コースも開始され、コーディネーター養成コースも本格化します。何より履修生の積極的な御参加と、指導的立場にある現場の教員職員が一致団結してその養成にご尽力いただきますことを心からお願い申し上げます。

平成26年度の個別活動実績

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